分析フレームワーク・競争戦略・成長戦略・組織・イノベーションなど、経営戦略の主要論点を問題形式で総点検できます。全164問を答え・解説つきで掲載しています。 各問の「答えと解説を見る」を開くと、正解と解説を確認できます。
Q1. 企業の長期的な方向性や資源配分を決める計画を何というか?
正解:経営戦略
解説:経営戦略は長期的な全社方針を定める。
経営戦略は企業の方向性や資源配分を決める長期的意思決定であり、戦術や日常業務とは区別されます。
Q2. SWOT分析で『O』が意味するのはどれか?
正解:Opportunity(機会)
解説:Oは機会(Opportunity)。
SWOT分析はStrength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(機会)、Threat(脅威)を整理し、戦略を立てる手法です。
Q3. ポーターの『5フォース分析』に含まれない要素はどれか?
正解:政府の規制
解説:政府の規制は5フォースには含まれない。
5フォース分析は業界の競争要因を分析するもので、政府規制は外部要因(PEST分析)に分類されます。
Q4. PDCAサイクルで『C』が意味するのは?
正解:Check(評価)
解説:CはCheck=評価・確認。
PDCAサイクルはPlan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Act(改善)の継続的改善プロセスです。
Q5. 企業の外部環境を分析するPEST分析の『S』は何を指すか?
正解:Social(社会的要因)
解説:Sは社会的要因(Social)。
PEST分析は政治(Political)、経済(Economic)、社会(Social)、技術(Technological)の外部要因を分析します。
Q6. バリューチェーン分析の目的として正しいのは?
正解:企業活動の価値創造プロセスを把握する
解説:価値の流れを分析する手法。
バリューチェーン分析は企業活動を価値創造の視点から分解し、競争優位の源泉を特定する方法です。
Q7. TOWSマトリクスは何を目的とするか?
正解:SWOT要素を組み合わせ戦略策定する
解説:SWOTを発展させ戦略方向性を導く。
TOWSマトリクスはSWOTの内外要因を組み合わせ、具体的な戦略オプションを導く手法です。
Q8. KPIとは何の略か?
正解:Key Performance Indicator
解説:主要業績評価指標の略。
KPIは目標達成度を測る具体的な数値指標で、戦略実行の進捗管理に用いられます。
Q9. ベンチマーキングの目的として最も適切なのは?
正解:他社の優れた事例から学ぶ
解説:他社ベストプラクティスを参考に改善する手法。
他社比較により自社の弱点や改善点を明確にし、競争力を高める目的があります。
Q10. ポーターの『価値連鎖(バリューチェーン)』で主活動に含まれないものはどれか?
正解:人事管理
解説:人事管理は支援活動に含まれる。
主活動は物流・生産・販売・サービス、支援活動は人事・調達・技術開発・全般管理で構成される。
Q11. BCGマトリクスにおいて『金のなる木』の事業に対する基本戦略として最も適切なのは?
正解:安定的なキャッシュ創出と維持
解説:金のなる木は高シェア・低成長市場で利益源。
成熟市場で収益を維持し、他事業への資金源とすることが望ましい。
Q12. 『経営資源のVRIO分析』において、“O”の要素は何を意味するか?
正解:組織(Organization)が資源を活用できる体制か
解説:Oは組織としての活用力を示す。
価値ある資源を持っていても、組織がそれを活用できなければ競争優位は維持できない。
Q13. 『バランスト・スコアカード』で扱う4つの視点に含まれないのはどれか?
正解:社会貢献
解説:社会貢献は4視点に含まれない。
BSCは財務・顧客・内部プロセス・学習と成長の4視点で戦略と実行を可視化する。
Q14. ポーターの「5フォース分析」で分析する競争要因に含まれないものはどれか?
正解:マクロ経済の景気動向
解説:5フォースは業界内の競争構造を分析するもので、マクロ経済は対象外です。
ポーターの5フォース:①業界内の既存競合②新規参入の脅威③代替品の脅威④買い手の交渉力⑤供給者の交渉力。マクロ経済(金利・景気)はPEST分析の対象です。5フォースは業界の収益性(業界の魅力)を決める構造的要因を特定するフレームワークです。
Q15. SWOT分析のクロス分析(TOWS分析)において「SO戦略」とはどれか?
正解:強みを活かして機会を最大限に獲得する積極的な成長戦略
解説:SO戦略はStrength×Opportunityの組み合わせで最大成長を目指します。
TOWS分析の4象限:SO(強み×機会:積極攻勢)・ST(強み×脅威:差別化・多角化)・WO(弱み×機会:段階的追求)・WT(弱み×脅威:防衛・撤退)。SWOT分析を戦略立案に直結させるフレームワークで、単純なSWOT列挙に終わらせないための手法です。
Q16. バランスト・スコアカード(BSC)の4つの視点として正しいものはどれか?
正解:財務・顧客・業務プロセス・学習と成長
解説:BSCはキャプランとノートンが提唱した財務・顧客・業務・学習の4視点の業績管理です。
BSC(Balanced Scorecard)はキャプラン&ノートンが1992年に提唱。財務指標だけでなく、顧客・業務プロセス・学習と成長の非財務指標も含めた多面的な業績管理です。4視点のKPIを戦略マップで因果連鎖させ、戦略実行の管理ツールとして活用します。
Q17. BCGマトリクスにおける「負け犬(Dog)」の特徴はどれか?
正解:市場成長率が低く市場シェアも低い事業
解説:負け犬は低成長・低シェアで撤退・縮小が検討される事業です。
BCGマトリクス:「花形(Star)」高成長・高シェア、「金のなる木(Cash Cow)」低成長・高シェア、「問題児(Question Mark)」高成長・低シェア、「負け犬(Dog)」低成長・低シェア。負け犬はキャッシュを生まず成長も見込めないため、撤退・売却・縮小が基本方針です。
Q18. KPI(重要業績評価指標)を設定する際のポイントとして適切でないものはどれか?
正解:できるだけ多くの指標を設定して網羅性を高める
解説:KPIは少数の重要指標に絞るべきで、多すぎると焦点が散漫になります。
KPIは「Key」(重要な)指標です。数が多すぎると管理負荷が増し、どれも「重要」でなくなります。効果的なKPIはSMART(Specific・Measurable・Achievable・Relevant・Time-bound)の条件を満たし、戦略目標と明確に連動したものに絞るべきです。
Q19. バリューチェーン分析で「主活動」に含まれるものはどれか?
正解:製造・出荷・販売・マーケティング・アフターサービス
解説:主活動は製品の物理的な流れに関わる購買物流・製造・出荷・販売・サービスです。
ポーターのバリューチェーン:主活動(購買物流・製造・出荷物流・販売・マーケティング・サービス)と支援活動(全般管理・人事・技術開発・調達)。各活動のコストと価値創出を分析し、競争優位の源泉を特定します。
Q20. VRIO分析でいう「O(組織)」が意味することはどれか?
正解:企業が資源の価値を活かせる組織・プロセス・文化を持っているか
解説:VRIOのOは、V・R・Iを備えた資源を活用できる組織体制が整っているかを問います。
Q21. PESTLEAnalysisにおいて「L」が指す分析対象はどれか?
正解:法律・規制環境(Legal)
解説:PESTLEのLは法律・規制(Legal)で、関連法規・規制変化を分析します。
PESTLE分析:P(政治)・E(経済)・S(社会・文化)・T(技術)・L(法律・規制)・E(環境)。PEST分析を拡張し、法律(知財・労働法・競争法等)と環境(ESG・気候変動等)を加えた6要因でマクロ環境を分析します。
Q22. PDCAサイクルで「Check(検証)」フェーズで行うべきことはどれか?
正解:計画に対する実績の差異を分析し原因を特定する
解説:CheckはPlan対比でDo(実行)の結果を評価・分析するフェーズです。
PDCAサイクル:Plan(目標・計画策定)→Do(実行)→Check(目標との差異測定・原因分析)→Act(改善策立案・標準化)→次のPlanへ。Checkでは数値差異の把握だけでなく、なぜ差異が生じたかの根本原因分析(RCA)が重要です。
Q23. 「戦略計画(Strategic Planning)」と「戦略思考(Strategic Thinking)」の違いとして正しいものはどれか?
正解:戦略計画は分析・計画化の手続き、戦略思考は直感・創造性による革新的洞察
解説:計画は体系的なプロセス、思考は創造的洞察であり相補的です。
Q24. OKR(Objectives and Key Results)の特徴として正しいものはどれか?
正解:挑戦的な目標(O)と測定可能な成果指標(KR)を四半期ごとに設定し透明性を高める手法
解説:OKRはIntelやGoogleが採用した挑戦目標×測定可能成果指標の透明な目標管理です。
Q25. マッキンゼーの「7Sフレームワーク」に含まれる要素として正しいものはどれか?
正解:Strategy・Structure・Systems・Shared Values・Skills・Style・Staff
解説:7SはStrategy・Structure・Systems・Shared Values・Skills・Style・Staffの7要素です。
マッキンゼーの7Sフレームワーク(ピーターズ&ウォーターマン)は、組織変革・戦略実行の際に7つの要素の整合性を確認するツールです。ハード要素(Strategy・Structure・Systems)とソフト要素(Shared Values・Skills・Style・Staff)が相互に影響し合います。
Q1. コア・コンピタンスとは何を指すか?
正解:他社に真似できない中核能力
解説:中核的な強み=コア・コンピタンス。
コア・コンピタンスは企業独自の強みであり、顧客価値を生む源泉で、模倣困難な能力を指します。
Q2. 競争優位の源泉が模倣困難であるほど持続するという考え方を何というか?
正解:持続的競争優位
解説:持続的競争優位(SCA)の概念。
Sustainable Competitive Advantageは模倣困難・代替困難な優位性を意味します。
Q3. 資源ベース理論(RBV)において、持続的競争優位を生む資源の条件は?
正解:希少・模倣困難・代替困難・価値がある
解説:VRIOフレームワークがその基準を示す。
価値(Value)、希少性(Rarity)、模倣困難性(Inimitability)、組織(Organization)を備える資源が持続的競争優位を生む。
Q4. ファナックが生産設備を外部に公開しない戦略はどの理論に基づくか?
正解:コア技術のブラックボックス化戦略
解説:技術独占による高収益維持。
ファナックは制御技術を非公開とし、他社に依存しない技術的優位を確立している。
Q5. 経営戦略論における『ゲーム理論』の主な活用目的は?
正解:競合の行動を予測し最適戦略を導く
解説:競争相手の行動を数理的に分析。
企業間の相互依存を前提に、最適な意思決定を行うための理論枠組み。
Q6. 経営戦略論で『セグメント・オブ・ワン』とは?
正解:個客単位で最適化するマーケティング
解説:個客ごとのカスタマイズを意味する。
AIやデータ活用により、顧客一人一人に最適化された提案が可能となった。
Q7. ミンツバーグが提唱した戦略の5Pに含まれないものはどれか?
正解:Purpose
解説:5PのうちPurposeは含まれない。
Plan(計画)、Ploy(策略)、Pattern(行動パターン)、Position(位置)、Perspective(視点)で構成される。
Q8. 戦略的意思決定で用いられる『リアル・オプション思考』の特徴は?
正解:不確実性を前提に段階的投資判断を行う
解説:未来の選択肢価値を評価する思考法。
段階的投資により柔軟に撤退・拡張できるオプション価値を活用する理論。
Q9. 経営学で『スラック資源』とは何を指すか?
正解:経営余力となる未使用資源
解説:変化対応に使える余剰資源を指す。
スラック資源は組織の柔軟性を高め、イノベーションやリスク対応の源泉となる。
Q10. 『リソース・ディペンデンス理論』が強調するのは?
正解:組織は外部環境との資源依存関係で動く
解説:組織は外部の資源供給に依存しているという前提。
外部との関係構築(提携・政治・交渉)を通じて安定を確保する必要があるとする理論。
Q11. 経営戦略における『シナリオ・プランニング』の利点として正しいのは?
正解:不確実な未来に備え複数の可能性を検討できる
解説:複数シナリオを検討して柔軟な戦略を構築する。
未来の不確実性に備え、複数の状況を想定し戦略オプションを準備する手法。
Q12. 「ポジショニング」アプローチと「リソース・ベースド・ビュー(RBV)」の違いはどれか?
正解:ポジショニングは業界構造・外部環境重視、RBVは内部の固有資源・能力重視
解説:ポジショニングは外部(市場)起点、RBVは内部(資源)起点の戦略アプローチです。
ポーターのポジショニングアプローチは「魅力的な業界で有利なポジションを占める」ことを競争優位の源泉とします。一方RBV(バーニー)は「希少・模倣困難・代替不可能・組織化された(VRIO)」内部資源が持続的競争優位の源泉とします。両者は補完的な視点を提供します。
Q13. 競合他社が自社の戦略を模倣しにくくする「模倣障壁」として機能するものはどれか?
正解:因果関係の曖昧さ・歴史的経緯・社会的複雑性
解説:因果が不明・歴史依存・複雑な関係は競合が真似しにくい模倣障壁です。
バーニーが指摘する模倣困難性の源泉:①因果関係の曖昧さ(なぜ成功しているか不明)②歴史的独自性(長年の蓄積)③社会的複雑性(組織文化・信頼関係)④特許などの法的保護。特に①〜③は特許と異なり永続的で、強力な参入障壁となります。
Q14. 組織の「コア・コンピタンス」を定義したプラハラード&ハメルの主張はどれか?
正解:競合に模倣されにくい中核的な技術・能力の束が長期的競争優位の源泉
解説:企業固有の中核能力(コア・コンピタンス)が多様な市場への展開力と競争優位の源泉です。
プラハラード&ハメルが1990年HBR論文「コア・コンピタンス経営」で提唱。コア・コンピタンスの3条件:①様々な市場に適用可能②顧客の知覚する価値に貢献③競合が容易に模倣できない。Hondaのエンジン技術が車・バイク・発電機・農機具に展開される例が有名です。
Q15. ゲーム理論の「囚人のジレンマ」が示す教訓はどれか?
正解:個人の合理的な選択(裏切り)が集団全体として見ると最悪の結果をもたらすことがある
解説:個人合理性と集団合理性が一致しない状況を示すゲーム理論の基本問題です。
囚人のジレンマ:2人の囚人が独立に「協調(黙秘)」か「裏切り(自白)」を選ぶ場合、双方が自分の利益を追求すると双方が自白し(ナッシュ均衡)、両者にとって最善の「協調」が達成できません。企業競争(価格競争・軍拡競争)や公共財問題などに応用されます。
Q16. リアル・オプション理論の経営への応用として最も適切なものはどれか?
正解:不確実な投資を「将来の選択権」として評価し、段階的な投資判断に活用する
解説:不確実な投資を「ゲームに留まる権利」として捉え段階的に意思決定する考え方です。
金融オプション理論を経営戦略に応用。例:新市場への参入を「投資」でなく「オプション取得」と見なし、初期の小規模投資で参入権を確保し、情報が集まったら拡張・縮小・撤退を判断します。不確実性が高い事業(新市場・新技術)ほどリアル・オプション的思考が有効です。
Q17. シナリオ・プランニングの目的として最も適切なものはどれか?
正解:複数の将来シナリオを描き、それぞれへの対応策を準備して不確実性に対処する
解説:複数の将来を想定し、どのシナリオが実現しても対応できる戦略的準備をします。
シェルが1970年代の石油ショックを契機に発展させたシナリオ・プランニングは、予測不可能な不確実性に対して複数の将来シナリオ(楽観・悲観・ベース等)を描きます。「Xが起きたらYをする」という条件付き戦略を準備することで、意思決定の質とスピードを高めます。
Q18. 「資源依存理論(Resource Dependence Theory)」が主張することはどれか?
正解:組織は外部資源に依存するため、重要資源を持つ環境アクターへの依存を管理することが戦略的課題
解説:組織の重要な外部依存を認識・管理し、権力均衡を保つことが組織存続の鍵です。
フェファー&サランシックが提唱。組織は自己完結できず原材料・資本・人材・情報を外部に依存します。この依存が権力関係を生み、依存度が高い資源提供者が交渉力を持ちます。企業はM&A・提携・垂直統合・ロビー活動等で依存を管理しようとします。
Q19. ミンツバーグが批判した「計画的戦略(Deliberate Strategy)」に対する「創発的戦略(Emergent Strategy)」とはどれか?
正解:現場の行動・実験・学習の積み重ねから事後的に形成されるパターンとしての戦略
解説:創発戦略は意図せず現場の行動の中からパターンが浮かび上がる実践知的な戦略です。
ミンツバーグは計画的戦略(意図した通り実現した戦略)と創発的戦略(計画外だが実践の中から生まれた戦略)の両方が実際の組織戦略を形成すると主張しました。過度な計画信奉(計画の罠)を批判し、学習・適応・実験の重要性を訴えました。
Q20. 「サイモンの限定合理性(Bounded Rationality)」とはどのような概念か?
正解:人間は完全合理的でなく、認知能力・情報・時間の制約の中で「満足化」の意思決定をする
解説:完全合理性は非現実的で人間は認知・情報・時間の限界の中で「十分によい」選択をします。
ノーベル賞経済学者ハーバート・サイモンが提唱した限定合理性(Bounded Rationality)。人間は情報処理能力・入手可能情報・意思決定時間に限界があるため、「最大化」でなく「満足化(satisficing)」(十分に満足できる選択肢で決定)をします。行動経済学・組織論の基礎概念です。
Q1. アンゾフの成長マトリクスで『新製品×既存市場』に該当する戦略は?
正解:製品開発戦略
解説:新製品×既存市場=製品開発戦略。
アンゾフの成長マトリクスは既存・新の軸で戦略を分類します。
Q2. 企業が独自ブランドを活用して複数市場へ進出する戦略を何というか?
正解:ブランド拡張
解説:ブランド拡張は既存ブランドの価値を他分野へ展開する戦略。
例:飲料メーカーが同ブランドで食品事業に進出するなど。
Q3. M&Aの目的として正しいのはどれか?
正解:シナジー効果の創出
解説:統合による相乗効果(シナジー)を狙う。
企業価値向上や新市場参入など、M&Aは戦略的成長手段として活用されます。
Q4. 日本電産(現ニデック)が行ったM&A戦略の目的として最も適切なのは?
正解:技術と顧客基盤の獲得による成長
解説:M&Aを通じて技術・販売チャネルを獲得し、成長を実現。
永守重信氏の下で、ニデックは小型モータ技術を中心に世界中の有力企業を買収し、技術と市場を広げた。
Q5. 三菱商事などの総合商社が展開する事業ポートフォリオ戦略の目的は?
正解:分散投資によるリスク低減
解説:多角化によるリスク分散と安定収益の確保。
総合商社はエネルギー、金属、食料、金融など複数分野で事業を展開し、景気変動への耐性を持つ。
Q6. 日本企業が『選択と集中』を行う主な理由は?
正解:経営資源を強みに集中して競争力を高める
解説:限られた経営資源を重点分野へ再配分。
グローバル競争での生き残りのため、コア事業に集中する戦略。
Q7. 経営戦略における『ポートフォリオマネジメント』の主目的は?
正解:事業全体の資源配分最適化
解説:複数事業のバランス管理と資源配分の最適化。
BCGマトリクスなどを用い、成長・収益性を考慮して事業間投資を最適化する。
Q8. アンゾフの成長マトリクスにおける『多角化戦略』の主なリスクは?
正解:経営資源の分散と統合困難
解説:多角化は経営複雑性が増す。
新市場・新製品の両方を扱うため、リスク管理やシナジー創出が難しくなる。
Q9. 経営戦略における『シナジー』の定義として最も適切なのは?
正解:事業間の相乗効果で全体価値が部分の和を上回る状態
解説:1+1>2となる統合効果を指す。
経営統合・多角化・アライアンスなどで価値を高める目的に使われる概念。
Q10. 『アライアンス戦略』の主なメリットとして最も適切なのは?
正解:リスク分散と補完的資源の活用
解説:他社と協力してリスクと資源を共有。
提携により、単独では実現困難な技術・市場アクセス・スピードを確保することが可能。
Q11. 『エコシステム戦略』の特徴として最も適切なのは?
正解:複数企業が共通価値創出のために協働する
解説:共創型の価値ネットワークを形成する。
企業・顧客・パートナーが連携し、相互補完的に価値を創造する仕組み。
Q12. アンゾフのマトリクスにおいて「市場開発戦略」とはどれか?
正解:既存製品を新しい市場・顧客層に展開する戦略
解説:既存製品×新市場の組み合わせが市場開発戦略です。
アンゾフのマトリクス:市場浸透(既存×既存)・製品開発(新製品×既存市場)・市場開発(既存製品×新市場)・多角化(新製品×新市場)。市場開発の例:国内製品の海外展開、異なる年齢層・業種への展開。リスクは市場浸透<製品開発・市場開発<多角化の順で大きくなります。
Q13. M&Aにおける「水平型M&A」の目的として最も適切なものはどれか?
正解:同業他社を買収してシェア拡大・規模の経済を実現する
解説:同じ業種・市場の企業同士の統合が水平型M&Aで規模拡大が主目的です。
M&Aの種類:水平型(同業同士→シェア・規模の経済)・垂直型(川上・川下統合→サプライチェーン支配)・コングロマリット(異業種→多角化)。水平型の例:銀行合併、航空会社同士の統合。規制当局による独占禁止法審査の対象になりやすいのも特徴です。
Q14. PMI(Post Merger Integration)とは何か?
正解:M&A成立後の統合プロセス(組織・システム・文化の統合)
解説:PMIはM&A後に両社を実際に統合する経営上最難関のプロセスです。
M&Aの失敗原因の多くはPMI(Post Merger Integration)の失敗です。組織文化の融合、ITシステムの統合、人材の定着・モチベーション維持、ブランド・顧客管理の統一などが主な課題です。M&A成立がゴールではなく、シナジー実現がゴールであり、PMIがその鍵を握ります。
Q15. 戦略的アライアンス(提携)がM&Aより優先されるケースとして最も適切なものはどれか?
正解:相手企業を完全支配せず特定分野の協業で十分な場合や規制・資金の制約がある場合
解説:資源・規制の制約があり部分的協業で目的を達成できる場合に提携が有効です。
アライアンス(合弁・業務提携・技術提携等)はM&Aに比べリスク・コストが低く、相手の独立性を保ちながら特定分野で協力できます。異業種・異文化の統合リスクが高い場合、規制で完全買収が困難な場合(外資規制等)、実験的に連携を試したい場合などに適します。
Q16. 「エコシステム戦略」の特徴として最も適切なものはどれか?
正解:自社を中心に補完製品・サービスを提供するパートナー群を構築し、ユーザーの囲い込みと価値共創を行う
解説:エコシステムは自社プラットフォームを核に補完パートナーと共に価値を創る戦略です。
AppleのApp Store、AmazonのマーケットプレイスがエコシステムのNo.1事例。プラットフォーマーがルールを設定し、開発者・販売者・ユーザーが相互に価値を高め合います。ネットワーク外部性(参加者が増えるほど価値が上がる)によりロックインが深まります。
Q17. PPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)における「金のなる木(Cash Cow)」の扱い方として最も適切なものはどれか?
正解:大規模な新規投資は抑え、安定したキャッシュを「花形」や「問題児」に配分する
解説:金のなる木は低投資で多くのキャッシュを生み、他事業への資金源となります。
金のなる木(Cash Cow)は市場成長率が低いため大きな再投資は不要ですが、高シェアで安定的なキャッシュを生みます。この余剰キャッシュを「花形(Star)」の成長投資や「問題児(Question Mark)」の育成に充てるのがPPMの資源配分の考え方です。
Q18. 「シナジー」を実現するためのM&Aにおいて、期待されるシナジーが実現しないケースの典型的な原因はどれか?
正解:組織文化の違いによる統合失敗や想定以上のPMIコスト
解説:文化的摩擦・統合コスト超過がシナジー未実現の最大原因です。
M&Aのシナジー(コスト削減・売上増加・技術融合等)は理論上は魅力的でも、実際には組織文化の衝突(カルチャークラッシュ)、優秀人材の離職、IT統合の失敗、想定以上のPMIコストにより実現できないことが多いです。買収価格のプレミアムが高すぎる「勝者の呪い」も問題です。
Q19. フランチャイズ方式の特徴として正しいものはどれか?
正解:本部がブランド・システムを提供し加盟店が資金・経営を担う形態で、資本効率よく展開できる
解説:フランチャイズは本部のブランド・ノウハウを活用した軽資産の急速展開手法です。
フランチャイズは加盟店(FC店)が本部のブランド・ノウハウ・システムを使用料(ロイヤルティ)を払って使う仕組みです。本部は自己資本不要で全国展開でき、加盟店はブランド力・システムを借りてリスクを低減できます。直営との対比が試験では頻出です。
Q20. 「オーガニック成長(有機的成長)」と「インオーガニック成長(M&A等)」の違いはどれか?
正解:自社の既存資産・能力から内発的に成長するか、外部企業の買収・提携で成長するかの違い
解説:オーガニック成長は自力成長、インオーガニックはM&A・提携による外部取込みです。
オーガニック成長(内部成長):自社の製品開発・営業強化・地理的拡大で成長。時間はかかるが文化的一体性を保てます。インオーガニック成長(M&A等):スピードは速いが統合コスト・リスクが高い。最適な組み合わせが成長戦略の鍵です。
Q21. 「新規事業の死の谷(Valley of Death)」とはどのような状況か?
正解:研究開発の成果が実用化・事業化されるまでの資金・組織の壁で多くが消滅する現象
解説:研究→開発→事業化の橋渡しで多くの新規事業が失敗する「谷」のことです。
新規事業開発では「技術の死の谷」(基礎研究→製品化)と「事業化の死の谷」(製品化→黒字化)の2つが存在します。大企業では既存事業の論理・予算配分・リスク回避姿勢が新規事業の芽を摘みます。この解決策として社内ベンチャー・CVC・アクセラレーター活用が有効です。
Q22. 「事業撤退」を判断する際に考慮すべき「埋没費用(サンクコスト)」の扱いとして正しいものはどれか?
正解:将来の意思決定に無関係のため無視すべき
解説:埋没費用は回収不可能な過去コストであり、将来の意思決定には含めるべきでないです。
サンクコスト(埋没費用)の誤謬:「ここまで投資したから撤退できない」という考え方は非合理的です。合理的な意思決定では、将来の追加投資に対して得られる将来収益のみを比較します。過去コストへの執着が撤退を遅らせ損失を拡大させる「コンコルドの誤謬」として知られます。
Q23. 「ジョイント・ベンチャー(合弁事業)」の特徴として最も正しいものはどれか?
正解:複数の企業が出資して新会社を設立し、リスクとリターンを分担する形態
解説:JVは複数企業が出資して新会社を設立し、共同で事業運営する提携形態です。
ジョイント・ベンチャーは出資比率・意思決定権・損益分担を契約で定める協業形態です。海外市場参入(現地パートナーの規制・知識が必要な場合)や大規模インフラ投資のリスク分散に活用されます。親会社の意見対立・Exit手続きが課題になりやすいです。
Q24. プラットフォームビジネスにおける「ネットワーク外部性」とはどれか?
正解:利用者が増えるほどサービスの価値が高まり、さらに利用者を呼び込む正のフィードバック効果
解説:ユーザー増加→価値向上→さらにユーザー増加という好循環がネットワーク外部性です。
ネットワーク外部性(ネットワーク効果)は直接的(同じプラットフォームのユーザーが増えると価値↑)と間接的(プラットフォームの補完製品・サービスが増えると価値↑)に分かれます。SNS・OS・クレジットカードネットワークが典型例で、市場の「勝者総取り」傾向をもたらします。
Q25. 「リバース・イノベーション」の説明として正しいものはどれか?
正解:新興国向けに開発した低コスト製品・サービスが先進国市場に逆輸入される現象
解説:新興国で開発したシンプル・低コストの製品が先進国で受け入れられる逆の流れです。
ゴビンダラジャン(ダートマス)が提唱。従来は先進国で開発→新興国展開(グローカリゼーション)でしたが、リバース・イノベーションはその逆。例:GEの低価格超音波診断装置(中国・インド向けに開発)が米国でも採用。制約が創造性を生む現象です。
Q26. 「多角化戦略」のリスクとして最も指摘されるものはどれか?
正解:コア事業との関連が薄い分野での経営資源の分散・管理コスト増大
解説:コアから離れた非関連多角化は経営資源の分散と管理複雑化を招くリスクがあります。
関連多角化(既存事業と技術・市場を共有)よりも非関連多角化(コングロマリット)は「範囲の経済」が働きにくく、経営資源が分散してコア事業も弱体化するリスクがあります。1980〜90年代の日本企業の無関連多角化がバブル崩壊後に問題化した事例があります。
Q1. 経営理念の主な役割として最も適切なのはどれか?
正解:従業員行動の指針となる
解説:理念は組織文化の土台となる。
経営理念は企業の存在意義・価値観を示し、従業員行動や意思決定の方向性を定めます。
Q2. ミッション・ビジョン・バリューのうち『ビジョン』が示すものは?
正解:企業の将来像
解説:ビジョンは将来のありたい姿。
ミッション=存在意義、ビジョン=目指す未来像、バリュー=行動基準。
Q3. オムロンの経営理念『企業は社会の公器』に近い考え方はどれか?
正解:CSR経営
解説:社会的責任を経営の中心に据える考え方。
創業者立石一真の理念。企業は社会的存在であり、持続的な社会貢献を目的とする。
Q4. 日立製作所が『社会イノベーション事業』を掲げた目的として正しいのは?
正解:社会課題解決を通じて新市場を創出する
解説:社会課題の解決を事業成長と結びつけた。
社会インフラ×デジタルを通じ、社会的価値と経済的価値を両立する長期ビジョンを掲げた。
Q5. 京セラ創業者・稲盛和夫が重視した『アメーバ経営』の狙いは?
正解:小集団単位での採算管理と自律経営
解説:小集団経営による自律と採算意識の徹底。
アメーバ単位で収支責任を持たせ、全員経営意識を高める手法。KDDIでも採用された。
Q6. オムロンが推進する『Sensing & Control + Think』の狙いは?
正解:IoTを活用した自律型制御ビジネスの拡張
解説:IoT・AI時代における新たな価値創出戦略。
センシング技術とAIを組み合わせ、現場判断を自動化・知能化することで新市場を開拓している。
Q7. 経営戦略における『サステナビリティ経営』の本質は?
正解:社会・環境・経済の調和的価値創出
解説:ESGを軸にした長期的価値創出。
企業が持続可能性を重視し、環境・社会・ガバナンスのバランスを経営に組み込む。
Q8. 企業の「パーパス(Purpose)」が近年重視されるようになった背景として最も適切なものはどれか?
正解:ESG投資の拡大・ミレニアル世代の価値観・長期的な企業価値との関連が注目されているため
解説:社会課題・ESG・若手人材の意味志向の高まりがパーパス重視を加速させています。
2019年のビジネス・ラウンドテーブル(米主要企業CEO団体)が「株主第一主義」から「ステークホルダー資本主義」へのシフトを宣言。同時にSDGs・ESG投資拡大・ミレニアル世代の意味志向により、企業が「なぜ存在するか」を問うパーパス経営が主流になりました。
Q9. 「ミッション」「ビジョン」「バリュー(MVV)」の違いとして正しいものはどれか?
正解:ミッションは存在意義・現在の使命、ビジョンは未来の目指す姿、バリューは行動指針・価値観
解説:Why(ミッション)・What(ビジョン)・How(バリュー)の3層で組織の方向性を定めます。
MVV:Mission(我々は何のために存在するか)=存在意義・現在の使命。Vision(我々はどこを目指すか)=将来のあるべき姿。Values(我々はどのように行動するか)=意思決定・行動の基準となる価値観。三者が一貫していることで組織の求心力が生まれます。
Q10. 「CSV(共通価値の創造)」の概念を提唱したのは誰か、また主な主張はどれか?
正解:マイケル・ポーター:社会課題の解決と経済的価値創造を同時に追求することが競争優位をもたらす
解説:ポーターのCSVは「社会問題の解決=事業機会」として企業価値と社会価値を両立させます。
ポーター&クラマーが2011年HBR論文で提唱。CSR(企業の社会的責任)が「本業外の慈善活動」に留まるのに対し、CSV(Creating Shared Value)は社会課題をビジネスの中核に置き、解決が企業の競争優位と利益を生むと主張します。
Q11. 「ステークホルダー資本主義」が「株主資本主義」と異なる点はどれか?
正解:株主だけでなく従業員・顧客・地域社会・環境など全ステークホルダーへの責任を重視する
解説:株主のみならず全利害関係者への価値創出を企業の目的とする資本主義観です。
フリードマンの「企業の目的は株主利益の最大化」という株主資本主義に対し、エドワード・フリーマンのステークホルダー理論は従業員・顧客・地域社会・環境なども考慮すべきと主張します。SDGs・ESG・ダボス会議のステークホルダー資本主義宣言(2020年)が普及を後押ししました。
Q12. アメーバ経営の特徴として最も正しいものはどれか?
正解:小集団に時間当たり採算の責任を持たせ、全員参加の経営を実現する稲盛和夫の手法
解説:稲盛和夫(京セラ)が創案した小集団を独立採算の経営単位とする哲学的経営手法です。
アメーバ経営は組織を時間当たり採算(時間当たり付加価値)で管理する小集団(アメーバ)に分割し、リーダーに経営者感覚を持たせます。全員が数字を理解し経営に参加する「全員参加経営」が特徴。京セラ・KDDIで採用され、JALの経営再建でも活用されました。
Q13. 「サステナビリティ経営」が単なるコスト負担ではなく競争優位をもたらすとされる理由はどれか?
正解:ESG評価向上による資本コスト低下・優秀人材獲得・新市場開拓・規制リスク低減が期待されるため
解説:ESG経営は資本コスト・人材・市場・規制リスクなど多面的に競争優位につながります。
サステナビリティ経営のビジネスケース:①ESG評価が高い企業は機関投資家から資金調達しやすく資本コストが低下②環境・社会価値を重視するZ世代・ミレニアル世代の優秀人材が集まる③グリーン・社会的価値市場の新機会④将来の規制への先行対応でコンプライアンスリスク低減。
Q1. 企業が競争優位を確立するために重視すべき『差別化』とは何か?
正解:他社と異なる価値を提供すること
解説:差別化は独自価値の創出。
競争戦略の基本要素で、他社にない独自価値を提供し顧客の選択理由を作ること。
Q2. 『ランチェスター戦略』の基本的な考え方は?
正解:弱者は一点集中で戦う
解説:弱者の戦い方を示す理論。
ランチェスター戦略は、弱者が勝つための原則として、集中・差別化・局地戦を重視します。
Q3. 『ブルー・オーシャン戦略』とはどのような考え方か?
正解:競争のない新市場を創造する
解説:新市場の創造が鍵。
ブルー・オーシャン戦略は、競争のない領域を開拓し、新たな需要を創り出す考え方です。
Q4. 『リーダー』『チャレンジャー』『フォロワー』『ニッチャー』は何の分類か?
正解:市場ポジション別戦略
解説:市場シェアに基づく企業の戦略ポジション。
市場での立場により採るべき戦略が異なる(例:リーダー=維持、チャレンジャー=攻勢)。
Q5. ポーターの競争戦略で『中途半端な戦略』とは何を意味するか?
正解:明確な差別化・コスト優位がなく利益を失う状態
解説:差別化・コスト優位いずれも取れない戦略の危険。
中途半端な戦略はポジションが曖昧で、競争優位を失うリスクが高いとポーターは指摘した。
Q6. 経営戦略における『トレードオフ』の概念として正しいのは?
正解:ある選択をすると他方の利益を失う関係
解説:一方を取ると他方を失う関係性。
戦略では選択と集中が必要であり、全てを同時に追求することはできないという原則を指す。
Q7. 経営戦略における『動学的競争環境』における成功要因は?
正解:迅速な学習と適応能力
解説:環境変化に応じて柔軟に適応する能力が重要。
急速に変化する市場では、組織の俊敏性と継続的学習が競争優位の鍵となる。
Q8. ポーターの3つの基本戦略のうち「コスト・リーダーシップ戦略」の説明として正しいものはどれか?
正解:業界最低コストを実現し価格競争で優位に立つ戦略
解説:業界全体を対象に最低コストを実現し価格優位を確保する戦略です。
ポーターの3基本戦略:①コスト・リーダーシップ(最低コスト)②差別化(独自価値)③集中(特定市場)。コスト・リーダーシップでは規模の経済・プロセス効率化・原価低減を追求します。業界最低コスト企業のみが有効に使え、複数企業が同戦略を採ると価格戦争になります。
Q9. ブルー・オーシャン戦略が目指すものとして最も適切なものはどれか?
正解:競合のいない未開拓市場を創出し、競争を無意味にすること
解説:競争のない新市場(ブルー・オーシャン)を創造して競争から抜け出す戦略です。
チャン・キム&モボルニュが提唱。競争の激しい既存市場(レッド・オーシャン)を抜け出し、新たな需要を創出する未開拓市場を創造します。バリューイノベーション(コスト削減と顧客価値向上の同時達成)が核心概念で、[除く・減らす・増やす・加える]の4アクションフレームワークを使います。
Q10. ランチェスター戦略における「弱者の戦略」として適切なものはどれか?
正解:特定の地域・顧客層に集中して局地的優位を築く
解説:弱者は局地集中・一点突破で強者と全面対決を避けるのが鉄則です。
ランチェスター法則に基づく戦略理論では、市場シェア下位の弱者は全面戦争を避け「特定市場・顧客層・地域」への集中投下で局地的シェアNo.1を狙います。強者は逆に「広域・複数戦線・確率戦」で優位を維持します。中小企業のニッチ戦略の理論的根拠です。
Q11. 差別化戦略を採る企業が陥りやすい「差別化のコスト罠」とはどれか?
正解:差別化に要するコスト増が価格プレミアムを上回り、収益性が低下すること
解説:差別化コストが価格プレミアムを超えると競争優位が失われます。
差別化戦略では品質・ブランド・機能向上のためコストが増加します。顧客がそのプレミアム価格を支払う意志がない、または競合が低コストで類似品を出す場合、差別化企業は高コスト・低利益の罠にはまります。「板挟み(Stuck in the Middle)」状態も同様の問題です。
Q12. 市場地位別戦略において「チャレンジャー」の基本戦略はどれか?
正解:リーダーへの直接攻撃や側面攻撃でシェア奪取を狙う
解説:チャレンジャーはリーダーの弱点を攻める攻撃的戦略でシェアを狙います。
コトラーの市場地位別戦略:リーダー(首位維持)・チャレンジャー(2〜3位、リーダー攻略)・フォロワー(模倣で安定)・ニッチャー(特定市場専門)。チャレンジャーは正面攻撃・側面攻撃・ゲリラ攻撃などでリーダーのシェアを奪います。
Q13. ダイナミック・ケイパビリティとは何か?
正解:環境変化に応じて経営資源・組織能力を再構成・変革する組織の能力
解説:急変する環境に適応して資源・プロセスを組み替える動的な組織能力です。
ティースらが提唱。静的な資源(RBV)だけでなく、変化する環境に合わせて①資産の感知(Sensing)②機会の獲得(Seizing)③資産の変革(Transforming)を繰り返す動態的能力がダイナミック・ケイパビリティです。VUCA時代の持続的競争優位の源泉とされます。
Q14. 差別化の源泉として「スイッチングコスト」が高い製品の例として最も適切なものはどれか?
正解:ERPシステム(基幹業務システム)
解説:ERPは導入・移行コスト・学習コストが高く、顧客の乗り換えを防ぐロックイン効果があります。
スイッチングコストとは、現在の製品・サービスから別のものに乗り換える際に生じるコスト(金銭・時間・学習・関係)です。ERPシステムは導入に多大な投資と時間がかかるため、一度導入した企業は容易に乗り換えられません。これが競争優位の源泉となります。
Q15. 「コモディティ化」が起きやすい条件として最も適切なものはどれか?
正解:製品の品質・機能が標準化し、顧客が価格のみで選択するようになること
解説:製品差別化が失われ価格競争になる状態がコモディティ化です。
コモディティ化とは、製品・サービスの差別化要素が失われ、顧客が価格のみで購買判断するようになる現象です。DRAMやHDDなどが典型例。企業はブランド・サービス・エコシステムでの再差別化や、上流の素材・部品での競争優位確立でコモディティ化を回避しようとします。
Q16. ハイパーコンペティション(超競争)の状態とはどのような状況か?
正解:競争優位が短命で、競合が絶えず新たな優位を打ち出す激烈な競争環境
解説:競争優位が次々と陳腐化し継続的な戦略革新が必要な超激烈競争環境です。
ダヴェニーが提唱したハイパーコンペティションでは、どんな競争優位も競合に模倣・打破される速度が極めて速く、持続的優位は存在しないと主張します。企業は一時的優位を連続的に積み重ねることで競争する必要があります。デジタル産業で特に顕著です。
Q1. トヨタ自動車の『カイゼン活動』はどのような経営思想に基づいているか?
正解:継続的改善と現場主義
解説:カイゼンは現場改善の積み重ねを重視する思想。
トヨタ生産方式の基盤であり、従業員が小さな改善を継続し、全体最適を生む仕組み。
Q2. ユニクロのSPA(製造小売)モデルの強みは何か?
正解:中間流通を省き企画から販売まで一貫管理
解説:製造・流通・販売を自社で統合するモデル。
ユニクロはSPA方式で需要予測から生産・販売まで一気通貫し、高品質低価格を実現している。
Q3. 任天堂が『Wii』で採用した戦略として正しいのは?
正解:ブルー・オーシャン戦略
解説:競争のない新市場を創出したブルー・オーシャン型。
高性能競争を避け、幅広い層が楽しめる体験型ゲーム市場を開拓した。
Q4. キーエンスが高収益企業である主な要因として最も適切なのは?
正解:高付加価値製品と直接販売体制
解説:直販による顧客密着と高付加価値技術が鍵。
キーエンスは技術提案型営業により、高収益と高い顧客満足を両立している。
Q5. トヨタがグローバル市場で強い競争力を持つ要因として正しいのは?
正解:現地生産・現地調達の徹底
解説:現地適応と標準化のバランスが強み。
トヨタは現地ニーズに合わせた製品と、TPSによるグローバル品質標準を両立。
Q6. トヨタが生産現場で導入した『ジャスト・イン・タイム』方式の本質的狙いは何か?
正解:在庫削減による全体最適化
解説:必要なものを必要なときに必要な量だけ生産する仕組み。
JITはムダの排除と工程間連携を重視し、在庫を最小化しつつ品質と効率を両立させるTPSの中核。
Q7. ホンダが創業以来貫いている経営哲学に最も近いものは?
正解:技術革新と挑戦の文化
解説:“技術で世界に挑む”が原点。
本田宗一郎は“技術は人のためにある”を掲げ、創造的エンジニア文化を根幹にした。
Q8. キーエンスの経営手法に見られる『高収益を生む構造』の特徴は?
正解:固定費を抑え高付加価値を維持
解説:高利益率を支えるのは提案営業×無借金経営。
少数精鋭・提案営業・自社開発によって利益率40%超を継続している。
Q9. トヨタの『Woven City』構想が狙う経営的価値は?
正解:モビリティ社会における実証とデータビジネスの創出
解説:モビリティ社会の未来都市を実証する戦略的実験場。
スマートシティ構想を通じ、車×データ×AIの融合で新たな価値を実験的に創出している。
Q10. トヨタ生産方式(TPS)の「ジャスト・イン・タイム(JIT)」とはどのような概念か?
正解:必要なものを必要なときに必要な量だけ生産・供給し、在庫を極限まで削減する手法
解説:JITは需要に合わせた最小必要量の生産・供給でムダな在庫を徹底排除します。
JIT(Just-In-Time)はトヨタが確立した生産方式の2本柱の一つ(もう一つはニンベンの自働化)。後工程が必要なものを必要なときに前工程から引き取る「引き取り方式」(プル型)を採用。これを実現するための管理ツールが「かんばん」方式です。コスト削減と品質向上を同時に追求します。
Q11. ホンダの「ワイガヤ」文化とは何か?
正解:役職・年齢を超えて自由に意見をぶつけ合う議論文化で、イノベーションの源泉となった
解説:ワイガヤは肩書き不問で議論を戦わせるホンダ独自の創造的議論文化です。
Q12. キーエンスの高収益経営(営業利益率50%超)を支える要因として最も適切なものはどれか?
正解:顧客の課題を深く理解した高付加価値提案・ファブレス生産・徹底した情報共有文化
解説:顧客密着の高付加価値提案+ファブレスの軽資産モデルがキーエンス高収益の源泉です。
キーエンスは自社工場を持たず(ファブレス)製品企画・開発・営業に特化。営業担当者が顧客の生産ライン課題を深く分析し「なければならない製品(付加価値最大品)」を高価格で販売します。全営業情報を社内で共有する仕組みと超高密度な顧客訪問活動が収益力を支えます。
Q13. ユニクロ(ファーストリテイリング)のSPA(製造小売業)モデルの特徴はどれか?
正解:企画・製造・物流・販売を自社で一貫管理し、高品質・低価格を両立する
解説:企画から販売まで垂直統合することで中間マージンを排除し高品質・低価格を実現します。
SPA(Specialty store retailer of Private label Apparel):商品企画→素材調達→生産指示→物流→直営販売を一貫管理します。ユニクロは中国工場との密接な技術指導・品質管理、フリース・ヒートテック等の機能素材開発、世界規模の調達でコスト競争力と品質を両立しています。
Q14. ファナックが「工場の中の工場」と呼ばれる理由はどれか?
正解:CNC・ロボット・ロボマシンなど工場自動化機器を一貫生産し、自社工場も極度に自動化しているため
解説:自動化機器の製造工場自体が徹底的に自動化された「工場の自動化を自動化で実現する」企業です。
Q15. 任天堂の「枯れた技術の水平思考」とは何を意味するか?
正解:最新鋭技術を避け成熟・低コストの技術を組み合わせて新しい遊び体験を創出するアプローチ
解説:成熟した安価技術を奇想天外な発想で組み合わせ、低コストで新しい遊びを実現します。
横井軍平(初代ゲームボーイの父)が提唱した任天堂の開発哲学。高性能・高コストの最新技術より「枯れた(普及した・安価な)技術」を水平思考(固定観念を外した発想)で組み合わせ新体験を創ります。Wiiのモーションコントローラー、DS/Switchの折りたたみ・着脱設計に通じる思想です。
Q1. ソニーがPlayStation事業で成功した要因として最も関連が深いのは?
正解:異業種連携と製品プラットフォーム化
解説:プラットフォーム戦略と外部開発者との連携が鍵。
ソニーはハードを中心にエコシステムを構築し、外部のゲーム開発会社を巻き込むことで市場支配力を高めた。
Q2. ソフトバンクのM&A戦略の特徴として最も近いのは?
正解:積極的投資による事業ポートフォリオ構築
解説:異業種を取り込み、成長領域に積極投資。
孫正義氏は情報革命の軸で通信・投資・AIに積極展開し、グループ全体の相乗効果を追求。
Q3. 楽天がエコシステム戦略を採用する目的は?
正解:複数サービス間で顧客データと経済圏を共有
解説:楽天経済圏の構築を通じた囲い込み戦略。
ポイント共通化により金融・EC・通信などを連携し、顧客ロイヤルティを高めている。
Q4. リクルートホールディングスの経営モデルの特徴として最も適切なのは?
正解:データプラットフォームを活用したマッチング事業の多角化
解説:マッチングプラットフォームによる連続的事業創出。
人材・住宅・旅行・HRテックなど、情報の非対称性を解消する仕組みで新市場を作っている。
Q5. ソニーが2000年代以降に実施した『集中と選択』の背景にある課題は?
正解:事業の多角化による非効率とブランド分散
解説:非中核事業を整理し、強みに集中する再構築戦略。
エレクトロニクスの低収益性から脱却し、エンタメ・半導体など収益力の高い分野に再集中した。
Q6. 三井物産や伊藤忠商事が注力する『非資源分野の拡大』の背景にある戦略意図は?
正解:収益の安定化と脱コモディティ依存
解説:非資源分野へのシフトは利益の安定化狙い。
商社は資源依存を減らし、流通・食料・テクノロジーなど新収益源を開拓している。
Q7. スターバックスが日本市場で成功した最大の要因として適切なのは?
正解:体験価値重視のブランド戦略
解説:コーヒーを“体験”として再定義した。
単なる飲料販売ではなく、空間・体験・ブランドを通じたライフスタイル提案で成功した。
Q8. 楽天が通信事業に参入した戦略上の意図として正しいのは?
正解:エコシステム全体での顧客接点強化
解説:通信を含む経済圏強化で顧客囲い込み。
楽天モバイル参入により、通信・決済・ECの統合価値を高めた。
Q9. パナソニックが組織再編を繰り返している主な目的は?
正解:事業ポートフォリオの再構築と権限移譲
解説:自立型事業会社制による機動性確保。
カンパニー制導入により、各事業の責任・権限を明確化し市場対応力を高めた。
Q10. ソニーがエレクトロニクス事業の不振から復活した要因として最も適切なものはどれか?
正解:エンタテインメント(ゲーム・音楽・映画)・金融・センサーへの事業ポートフォリオ転換
解説:ゲーム(PS)・音楽・映画・CMOSセンサーへの軸足移動がソニー復活の核心です。
2010年代に多額の赤字を計上したソニーは平井・吉田体制でエレクトロニクス事業を選択と集中し、PS(ゲーム)・音楽ストリーミング・映画・CMOSイメージセンサー(スマホカメラ世界首位)に経営資源を集中。2020年代には過去最高益を更新しました。
Q11. リクルートのビジネスモデルの特徴として最も正しいものはどれか?
正解:情報の非対称性がある市場で需給をマッチングするプラットフォームを複数領域で展開する
解説:求人・不動産・結婚・旅行など情報の非対称性がある市場をプラットフォームで繋ぐのがリクルートの強みです。
リクルートは求人(Indeed・リクナビ)・不動産(SUUMO)・結婚(ゼクシィ)・旅行(じゃらん)・飲食(ホットペッパー)など「人生の節目」情報市場をマッチングプラットフォームで事業化しました。2012年のIndeed買収で世界No.1求人プラットフォーマーとなりました。
Q12. ソフトバンクの「ビジョン・ファンド」の特徴はどれか?
正解:世界のテクノロジー・スタートアップに超大規模投資を行うベンチャーファンド
解説:SoftBank Vision Fundは世界最大規模(1,000億ドル超)のテック特化投資ファンドです。
2017年に設立されたSoftBank Vision Fund(SVF1)はサウジアラビアのPIF・UABアブダビ等から資金を集め1,000億ドル規模。Uber・WeWork・DoorDash等に投資しました。一部の失敗(WeWork上場撤回等)で巨額損失も計上しましたが「AI革命への集中投資」というビジョンを掲げています。
Q13. 日本の総合商社が「事業投資会社」へと変化した理由として最も適切なものはどれか?
正解:情報・物流・金融機能を持つ商社が各業界で最適なパートナーとして価値を生みにくくなり、実業への直接投資で付加価値を高めるため
解説:取引仲介の差益縮小を受け、事業に直接参画して価値を創出するビジネスモデルへ転換しました。
かつてのトレーディング(売買差益)中心ビジネスはIT化・グローバル化で差益が縮小。伊藤忠・三菱商事・住友商事などは資源・インフラ・食品・流通などへの事業投資(エクイティ参加)にシフトし、配当・キャピタルゲインと経営参画で付加価値を生み出す「事業投資会社」に転換しました。
Q14. 「失われた30年」において日本企業の国際競争力が低下した構造的要因として最も適切なものはどれか?
正解:意思決定の遅さ・デジタル対応の遅延・人材の流動性の低さ・コーポレートガバナンスの弱さ
解説:組織の硬直性・DX遅延・人材流動性の低さ・ガバナンス不全が複合的に競争力を低下させました。
日本企業の競争力低下要因(複合的):①稟議・コンセンサス重視による意思決定の遅さ②デジタル化・クラウド・データ活用の遅延③メンバーシップ型雇用による人材流動性の低さ④社外取締役・株主還元の欠如等のガバナンス問題⑤イノベーション投資不足。これらが組み合わさりました。
Q1. リーダーシップ理論で『変革型リーダーシップ』の特徴として正しいのは?
正解:ビジョン提示と組織変革を促す
解説:変革型はビジョンと共感を通じて変化を導く。
バーンズとバスが提唱。変革型リーダーは部下の内発的動機を刺激し、組織を成長させる。
Q2. 日本企業における『終身雇用』が戦略上課題とされる理由は?
正解:環境変化への柔軟な人材再配置が難しい
解説:硬直的な人事制度が変化対応を阻害する。
長期雇用制度は安定を生むが、新規事業やデジタル化への人材適応を遅らせるリスクがある。
Q3. 日本企業が海外展開で陥りやすい『現地適応の課題』とは?
正解:本社主導が強すぎ現地の自律性が低い
解説:権限移譲の不足と文化ギャップが障害。
グローバル経営では、現地経営陣の裁量と本社ガバナンスのバランスが重要。
Q4. 組織構造における『マトリックス型組織』の主な課題は?
正解:権限の二重化による意思決定の遅延
解説:二重上司制によるコンフリクトが生じやすい。
職能軸と事業軸の両方で報告関係が生じ、調整負担が大きくなる。
Q5. 『ナレッジ・マネジメント』で野中郁次郎が提唱したSECIモデルの4段階に含まれないものは?
正解:効率化(Optimization)
解説:効率化はSECIモデルの要素ではない。
知識創造の4段階は共有→外化→結合→内面化のサイクルで構成される。
Q6. リーダーシップ理論で『サーバント・リーダーシップ』の特徴は?
正解:部下の成長支援を重視する
解説:奉仕するリーダーとして部下の成長を支援する。
グリーンリーフが提唱。従業員の成長を通じて組織の目的達成を促すリーダー像を示した。
Q7. 経営戦略における『コーポレート・ガバナンス』の主目的は?
正解:経営者の行動を監視・統制し企業価値を守る
解説:経営の監督・透明性確保が目的。
株主・取締役会などが経営を監督し、利害関係者の信頼と持続的価値向上を実現する。
Q8. 『ミドルアップダウン型経営』の特徴は?
正解:中間管理職が上下をつなぎ知識創造を推進する
解説:ミドルが経営と現場をつなぐ知識創造の要。
野中郁次郎が提唱。ミドル層が現場の知恵を経営ビジョンに反映させることを重視。
Q9. 変革型リーダーシップ(トランスフォーメーショナル・リーダーシップ)の特徴はどれか?
正解:ビジョン・理念を示してフォロワーの内発的動機を高め、組織変革を推進する
解説:ビジョンと感化力で部下の変革意欲を引き出すのが変革型リーダーシップです。
バーンズ→バス&アボリオが体系化。変革型(Transformational)は①理想的影響(カリスマ)②インスピレーション③知的刺激④個別配慮の4Iで構成。取引型(Transactional)が条件付き報酬・例外管理で動機付けるのとは対照的に、部下の高次の動機・使命感に訴えます。
Q10. 「機能別組織」と「事業部制組織」の違いとして正しいものはどれか?
正解:機能別は製造・販売等の機能で縦割り、事業部制は製品・地域ごとに損益責任を持つ自律的単位
解説:機能別は専門性重視の垂直統合、事業部制は市場対応の自律分権が特徴です。
機能別組織:営業・製造・開発等の機能ごとに部門化。規模の経済・専門性向上に強いが、部門間連携や市場対応の遅さが弱点。事業部制:製品ライン・地域ごとに販売・製造・管理を持つ自律的単位。市場対応力と損益明確化が強みですが、機能の重複・資源浪費が弱点です。
Q11. マトリクス組織の最大の課題として指摘されるものはどれか?
正解:命令系統が二重になり、権限の曖昧さや意思決定の遅れが生じること
解説:機能軸と事業軸の二重の指揮命令系統が権限葛藤と意思決定遅延を生みます。
マトリクス組織は機能別専門性と事業別市場対応を同時に追求する形態ですが、社員が2人以上の上司(機能マネジャー+プロジェクト/事業マネジャー)を持つため責任・権限が不明確になります。「二兎を追う者は一兎をも得ず」の問題が生じやすい組織形態です。
Q12. コーポレートガバナンス(企業統治)の目的として最も適切なものはどれか?
正解:経営者が株主・ステークホルダーの利益のために適切な意思決定をするよう監督・規律付けする仕組み
解説:経営者の暴走・エージェンシー問題を抑制し、適切な企業運営を確保する仕組みです。
株主(プリンシパル)と経営者(エージェント)の間の利益相反(エージェンシー問題)を解消するため、取締役会・監査役・社外取締役・株主総会・開示規制等の仕組みが必要です。日本では2015年のコーポレートガバナンス・コード策定が転換点となりました。
Q13. 「心理的安全性(Psychological Safety)」とはどのような状態か?
正解:チームメンバーが懸念・失敗・意見を安心して発言でき、罰せられないと信じられる状態
解説:Google「プロジェクト・アリストテレス」で高パフォーマンスチームの最重要要因と特定されました。
エドモンドソン(ハーバード)が提唱。心理的安全性が高いチームでは失敗を恐れずリスクを取り、学習・革新が生まれます。Googleの大規模調査「Project Aristotle」でも、チーム効果性の最大の予測変数として心理的安全性が特定され注目が集まりました。
Q14. 「知識創造理論(SECIモデル)」を提唱したのは誰か?
正解:野中郁次郎・竹内弘高
解説:SECIモデルは野中・竹内が提唱した暗黙知と形式知の相互変換による知識創造理論です。
SECIモデル:Socialization(共同化:暗黙知→暗黙知)・Externalization(表出化:暗黙知→形式知)・Combination(連結化:形式知→形式知)・Internalization(内面化:形式知→暗黙知)。4段階のスパイラルで組織的知識が深まります。「知識創造企業」(1995年)で世界に影響を与えました。
Q15. 「ミドル・アップダウン・マネジメント」の特徴はどれか?
正解:ミドルマネジャーがトップのビジョンと現場の知識を橋渡しして知識創造の中心となる
解説:野中理論では現場と経営をつなぐミドルが知識創造・イノベーションの核とされます。
野中・竹内が提唱するミドル・アップダウン型では、ミドルマネジャーがトップの理念・ビジョンと現場の実態情報を統合し、知識創造を主導します。純粋なトップダウン(戦略的命令)でも純粋なボトムアップ(草の根)でもない第3の経営様式として提唱されました。
Q16. 「グローバル統合vs現地適応」(I-Rフレームワーク)において、「トランスナショナル戦略」が目指すものはどれか?
正解:グローバルな効率性と現地の適応性・世界規模の学習を同時に追求する
解説:バートレット&ゴシャールのトランスナショナルは効率・適応・学習の三兎を追います。
バートレット&ゴシャールのI-Rフレームワーク:グローバル戦略(統合↑適応↓)・マルチドメスティック(統合↓適応↑)・インターナショナル(両方↓)・トランスナショナル(両方↑)。トランスナショナルは理想型ですが管理が最も複雑です。
Q17. 「エージェンシー理論」における「エージェンシーコスト」とはどれか?
正解:株主が経営者を監視・動機付けするためのコストと、経営者の機会主義的行動による損失の合計
解説:株主と経営者の利益相反から生じる監視コスト・拘束コスト・残余損失の総称です。
ジェンセン&メックリングが定式化。エージェンシーコスト=①モニタリングコスト(株主が経営者を監視)②ボンディングコスト(経営者が誠実さを証明)③残余損失(完全な解決が不可能な場合の価値毀損)。ストックオプション・社外取締役・開示規制がエージェンシー問題への対処手段です。
Q18. 「ティール組織」の特徴として最も正しいものはどれか?
正解:自主管理・全体性・存在目的を中核とし、階層的管理なしに高度な自律で動く組織
解説:フレデリック・ラルーが提唱した自律・全体性・存在目的を軸とする進化型組織です。
Q19. 「学習する組織(Learning Organization)」の概念を広めたピーター・センゲが重視した要素はどれか?
正解:システム思考・自己マスタリー・メンタルモデル・共有ビジョン・チーム学習の5つの規律
解説:センゲの「第五の規律」で示した5つのディシプリンが学習する組織の核心です。
Q1. イノベーションのジレンマとはどのような現象か?
正解:既存成功企業が破壊的技術への対応に遅れる
解説:既存企業が技術革新に遅れる構造問題。
クレイトン・クリステンセンが提唱。既存顧客重視の結果、新技術対応が遅れ、破壊的企業に負ける。
Q2. NECや富士通が近年注力するDX(デジタルトランスフォーメーション)の目的は?
正解:顧客価値創造とビジネスモデル変革
解説:デジタルを通じて業務と顧客体験を革新。
IT企業はハード提供から顧客課題解決型ビジネスへ転換を進めている。
Q3. 経営戦略における『ダイナミック・ケイパビリティ』とは何を指すか?
正解:環境変化に応じて自社能力を再構築する力
解説:環境変化に応じた能力の再構築力。
ティース教授が提唱。動的な競争環境で企業が適応・革新し続ける力を指す。
Q4. アマゾンの『逆算思考(Working Backward)』の考え方に最も近いのは?
正解:顧客体験から事業設計を始める
解説:顧客体験から出発する経営手法。
アマゾンは“顧客中心主義”を徹底し、顧客体験を基点に逆算して商品・プロセスを設計する。
Q5. 経営戦略において『アンビデクストラス組織』が意味するのは?
正解:探索(Exploration)と深化(Exploitation)の両立
解説:探索と深化の両立組織。
新規事業の探索と既存事業の効率化を同時に実現する柔軟な組織構造を指す。
Q6. 日清食品のカップヌードル開発はどのタイプのイノベーションに該当するか?
正解:破壊的イノベーション
解説:既存市場を変革した破壊的イノベーション。
“お湯を注ぐだけ”という新しい価値提案で即席食品市場を再構築した。
Q7. 経営戦略における『リバースイノベーション』とは?
正解:新興国発の技術や製品を先進国に展開する
解説:新興国発のイノベーションを逆輸入する考え方。
GEやユニリーバが採用。低コスト・高効率な技術を先進国にも適用する。
Q8. クリステンセンの「イノベーターのジレンマ」が示す本質的な問題はどれか?
正解:優良企業が既存顧客・高利益を優先するがゆえに、破壊的イノベーションへの対応が遅れること
解説:優良企業ほど既存事業の論理に縛られ、破壊的革新者への対応ができない逆説です。
クリステンセンの分析:既存優良企業は顧客の声を聞き、高利益製品に投資し、低価格の破壊的製品を無視します。しかし破壊的イノベーターは低端市場から食い上がり、気づいたときには既存企業は手遅れになります。ハードディスク・スチール・デジタルカメラが古典的事例です。
Q9. 「持続的イノベーション」と「破壊的イノベーション」の違いはどれか?
正解:持続的は既存顧客の要求をより高次に満たす改善、破壊的は低端から市場構造を塗り替える革新
解説:持続的はハイエンド顧客向け改善、破壊的はローエンドや非消費から市場を塗り替えます。
持続的イノベーション:既存顧客が求める性能向上(例:カメラの高解像度化)。破壊的イノベーション:当初は性能が劣るが安価・シンプル・アクセスしやすく、やがて既存市場を破壊(例:デジタルカメラ→スマホカメラ)。既存優良企業は前者に強く後者に弱い傾向があります。
Q10. 「両利きの経営(Ambidexterity)」とはどのような概念か?
正解:既存事業の深化(Exploitation)と新規事業の探索(Exploration)を同時に行う経営
解説:既存の深化と新規の探索を同時に高水準で行う組織能力が両利きの経営です。
オライリー&タッシュマンが提唱。深化(Exploitation)は既存事業の改善・効率化、探索(Exploration)は全く新しい事業・技術の開拓。多くの企業は深化に偏りますが、長期生存には両者のバランスが必要です。組織的に分離しつつ上位リーダーが統合する「構造的両利き」が有効とされます。
Q11. 「オープン・イノベーション」の特徴として最も適切なものはどれか?
正解:自社の研究開発に外部の知識・技術・アイデアを積極的に取り込む戦略
解説:外部の知識・技術・人材を積極的に活用する研究開発戦略がオープンイノベーションです。
チェスブロウが提唱。従来の自前主義(クローズド・イノベーション)から脱却し、スタートアップ・大学・他企業・個人の知識を積極的に取り込みます。逆に自社の技術を外部にライセンスすることも含みます。CVC(コーポレートベンチャーキャピタル)もオープンイノベーション手段の一つです。
Q12. DX(デジタルトランスフォーメーション)とデジタル化(Digitization/Digitalization)の違いはどれか?
正解:DXはビジネスモデル・組織・文化の根本変革を伴う、デジタル化は業務のIT化・効率化に留まる
解説:DXはデジタルを活用した事業・組織・文化の根本変革であり、単なるIT化を超えます。
Digitization(デジタイゼーション):アナログ→デジタル変換(例:紙伝票→電子データ)。Digitalization(デジタライゼーション):デジタルデータによるプロセス改善(例:業務効率化)。DX(Digital Transformation):デジタル技術でビジネスモデル・顧客価値・組織文化を根本から変える変革。
Q13. 「リーン・スタートアップ」の核心的な考え方はどれか?
正解:MVP(最小限の機能を持つ製品)を早期に市場投入し、顧客フィードバックを元に迅速に改善を繰り返す
解説:MVP→計測→学習のサイクルを高速で回し、無駄な開発を省く方法論です。
エリック・リースが提唱したリーン・スタートアップは、仮説→MVP(Minimum Viable Product)投入→計測→学習の「構築・計測・学習」サイクルを高速で回します。顧客の反応から早期に学び、ピボット(方向転換)か継続かを判断します。ウォーターフォール型開発とは対極の考え方です。
Q14. 「デザイン思考」のプロセスとして正しい順番はどれか?
正解:共感→問題定義→アイデア創出→プロトタイプ→テスト
解説:デザイン思考は「共感」から始まり「テスト」で仮説を検証する人間中心の問題解決法です。
Q15. 「スピンアウト(スピンオフ)」と「カーブアウト」の違いはどれか?
正解:スピンオフは100%分離独立、カーブアウトは親会社が株式の一部を保持して独立させる形態
解説:スピンオフは完全独立、カーブアウトは親会社が一部株式を持ちながら独立させる形態です。
Q16. S字カーブ(技術のライフサイクル)において、技術の成熟期に起きる現象として正しいものはどれか?
正解:追加投資による性能向上が頭打ちになり、次世代技術への移行が始まる
解説:成熟期は性能向上の限界(物理限界等)が近づき、新技術台頭が始まるフェーズです。
技術進化はS字カーブを描きます。黎明期(緩慢な進歩)→成長期(急速進歩)→成熟期(進歩鈍化・限界接近)→次世代S字カーブへの移行。成熟期に新技術のS字カーブが始まります(技術の不連続性)。既存企業はこの転換点での対応が経営上最重要課題となります。